・静かな夜
蝉の声が遠ざかり、いつの間にか虫の音がすぐそばまで忍び寄っている。季節の移ろいに体がまだ追いつかず、少しだけ重たく感じる夜だ。夏の余韻を画面越しに楽しむ人々の賑わいが、どこか遠い出来事のように感じられることもあるだろう。周りの人も季節の変わり目の影響で、少しだけ余裕を失いやすくなっているのかもしれない。何かをやり遂げたいという清々しさと、言葉にならないさざなみが、胸の内で静かに混ざり合っている。
明日の朝は、出かける人の波が街を動き出し、賑やかな一日になりそうだ。昼過ぎには、一月の区切りに向けて、いくつかの答え合わせが静かに行われるだろう。夜になれば、また穏やかな時間が戻ってくる。潮が大きく動き出す予兆が、波の音とともに近づいている。
今夜は、つい手を出してしまったものの理由は、もう探さないことにする。代わりに、明日を健やかに過ごすために、次に本当に必要なものだけを見極めて選ぶようにしよう。それから、明日の備えとして、飲みかけではない新しい水を一本、棚へ足しておく。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます (全国・関西・関東の版があります)