・熱帯夜
蝉の声もいつの間にか季節を変え、空には澄んだ景色が広がっている。朝晩の寒暖差に、体がうまく馴染めず戸惑う夜もある。街の関心が、遠い誰かの物語に注がれているような、静かなざわめきを感じることもある。まわりの人の余裕が、少し削られているかもしれない日が続いている。月は少しずつ細くなって、静かに夜を刻む。
明日の朝は、肌に潤いを与えるためのひとときを丁寧に持つ。昼には何かを始めるのにふさわしい、力強い兆しを感じるだろう。夜になると、画面の向こう側がにぎわい始める予感がする。週の始まりに向けて、波が寄せては返すようなリズムを刻むだろう。
鏡の中の肌が、どこか頼りなく感じられることもある。今夜はマスクの跡を、指先でそっと押さえる。明日の朝は、頬から化粧水をなじませる。日傘を、玄関の近くに置く。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます