・静かな夜
窓をたたく雨音を聞いていると、蝉の声がいつの間にか虫の音へと移ろう気配を感じる。季節がひとつの区切りを迎えようとしていて、体もその移ろいに追いつけず、どこか所在なない重さを抱えがちな夜だ。遠くで激しい雨が降っているものの、それは決してあなたを脅かすものではない。潮の満ち引きのように、ただ静かに夜が深まっていく。天候の乱れもあり、まわりの人も少しだけ、心にゆとりを求めているのかもしれない。家の中での些細な迷いや、やり残したことへの執着が、ふと胸のざわめきとなることもある。
明日の朝は、何かを始めるのに選ばれた日のような、少し慌ただしい予感がする。昼を過ぎれば、穏やかな時間がゆっくりと流れ出すだろう。夜には画面の向こう側が賑わい、遠くで何かの答え合わせが行われるような、そんな予感も漂う。週の半ばには、一度立ち止まって息継ぎができるはずだ。
今夜は、やりたかったことを一つだけ選んで、その心地よさに身を委ねてみる。もし手が止まりそうになったら、一旦すべてを置いて、明日の朝は昨夜の余韻をゆっくりと味わうことにしよう。それから、明日を穏やかに過ごすために、買い置きの水を一本、新しく足しておく。洗濯物を乾かすときには、重みに耐えられるよう、厚手のハンガーを準備して、丁寧に干し終える。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます (全国・関西・関東の版があります)