・雨の夜
窓を打つ雨音と、手元で明滅する光に、今日がゆっくりと溶けていく。湿り気を帯びた重い空気が肌にまとわりつき、季節の移ろいに体がまだ追いつけない夜だ。遠くで何かが揺れているような、言葉にできない不安が胸の隅をかすめることもある。まわりの人の余裕が、少し削られているような気配も感じるけれど、それは決してあなたのせいではない。どこかの誰かの熱狂が画面越しに伝わってくる夜もあるけれど、それもまた、今だけの景色だ。
明日の朝は、静かな光が差し込み、少しだけ心が落ち着く。昼には、どこかで答え合わせをするような、静かな時間が訪れるだろう。夜には、今日よりも少しだけ視界が澄んで、落ち着いて過ごせそうだ。週の真ん中には、一度深く息をつく時間がある。潮の満ち引きがこれから大きく動き出すことも、忘れないでいたい。
明日は鏡をひと拭きして、整った顔で家を出る。玄関の棚には、いざという時のために予備の乾電池を整えて並べておく。お気に入りの靴には、撥水スプレーを靴の表面に吹き付ける。
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます