・雨の夜
湿った風が混じり、季節がひとつ動いたようだ。夜の虫の音が聞こえる一方で、体はまだ秋の気配に戸惑っている。遠くの方で、どこか一箇所だけ熱を帯びたざわめきが響いているけれど、その波はまだここまでは届かない。大きな試合の夜、まわりの余裕が少し削られているのかもしれない。街のどこかでは、誰かの物語がテレビの光となって静かに溶け込んでいる。どこかで見慣れない景色が映り込み、つい目が離せなくなることもあるだろう。
明日はくもり。大阪と名古屋と福岡と広島と那覇はくもり時々雨、札幌はくもり一時雨、仙台は雨のちくもり。朝は静かな空気の中で、自分自身の予定だけを眺めて一日を始める。昼は、少しだけ自分をいたわる時間を持ち、街も穏やかな動きを見せるだろう。夜は、画面の明かりの向こう側に答え合わせを待つような時間が流れる。潮はこれから大きく動き出す。
今夜は、よその写真をそっと置く。画面越しに広がる誰かの物語から、一度目を離して、まずは湯船に新しい香りの入浴剤を入れてから眠ろうか。
※天気の予報は気象庁の発表によります
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます (全国・関西・関東の版があります)