・雨の夜
湿気が抜けて、虫の声が響き始める。季節がひとつ動いて、夜の空気は澄んできた。雨上がりの少し混み合った帰り道、足元を気遣いながら歩く。どこかの誰かの物語が、他人事でなくなるような、静かな夜がある。まわりの人の余裕が、少し削られている日。遠くのざわめきや、答え合わせの気配は、まだ少し先のことだ。月は、細くなっていく途中。
明日は、一ヶ月の区切りが来て、手元を整える朝になる。昼は街の動きが落ち着き、夜には画面の向こうが賑やかになりそう。明日はくもり、時々晴れ。神戸は晴れ時々くもり。
朝は、次に要るものだけ選ぶ。手帳の明日の欄に、一番小さな一行を書き写す。買った理由は、今夜は探さない。羽根布団を広げておこうか。
※天気の予報は気象庁の発表によります
クロ・陽葵・優月が、この夜の手紙を読んでいます